木の色とカラーコーディネート

売りたい買いたいネット

2012年05月28日 18:45


コンクリートがもてはやされた時代を経て、木の良さも再認識されているようです。

それは住宅だけでなく、幼稚園や学校、高齢者施設など、さまざまな施設で木材が

使われていることからも知ることができます。

建築上の制約などにより、ホンモノの木を使えない場合でも「せめて視角的に癒されたい」

という気持ちからでしょうか、"木目柄" "木調"の素材を使った空間も多く目にします。

フローリングや木製建具などの製品カタログを見ると、一般に、「ライトブラウン」

「ダークブラウン」「ミディアムブラウン」「ホワイト」などと、色の濃さによって樹種ごとに

名称をつけている場合が多いようですが、これを、色みの傾向からとらえていくと、

赤み寄りか黄み寄りかに分類することができます。

もちろん両方にまたがっているものも数多くあるのですが、基本は、色の傾向をその

どちらかに仕分けることができます。

不透明塗料でなければ、白い塗装を施した製品でも、樹木の色の特徴が表面に

あらわれるので、まっ白になることはなく、「黄みを帯びている白」か、「赤みを帯びている白」

として見ることができます。インテリアコーディネートをする場合は、この色みの傾向に沿って

各部位の内装色を選んでいくと、空間はまとめやすくなります。







たとえば、黄みを感じるダークブラウンの床だったら、それにあわせて、建具もドア枠も

黄み寄りのものを選ぶのです。もしも建具を白にするのなら、その白は「赤みがかった白」

ではなく、「黄みによった白」を選びます。家具も同じです。

メーカーの異なる家具を組み合わせる場合などは、全く同じ素材や色に揃えることが

できないことが多くあります。その場合は、色みの傾向を揃えていくと、全体的に

バランスが良くなります。







それは、木の色だけではありません。壁をビニールクロスにする場合でも、色の奥にある

"色みの傾向"を見るのです。たとえば、オフホワイト(黄みがかった白)の木製建具にピンクの

壁クロスを組み合わせる場合、そのピンク色は、やや黄みを感じるサーモンピンク系にします。

白とピンクで、色そのものは違っていても、色みの傾向が一貫するので、馴染みがよく、

全体的に調和感が得られるのです。この考え方を基本として、色の選定をしていくと、

インテリアはまとめやすく、心地よい空間をつくることができます。



【「木芽」Vol.142 アメニティ&カラープランナー葛西紀巳子寄稿抜粋】





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